*掲示物のストレスチェックシートはイメージです。実際のものとは異なっています。

【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.ストレスチェック記入シート

【ねらい】 ストレスマネジメント
 日々、私たちの感情や行動はストレスの影響を受けている場合が多い。しかし、ストレスとは何なのか、ストレスがどういう影響を私たちに与えているか、ということについてはなかなか自覚できていないものである。本時はウェブ上にあるストレスチェックのサイトを活用し、自分自身のストレス度を知るとともに、どういう事柄がストレスに関係するのかを自覚する。また、結果を仲間と交流することで、他者や自分自身への理解を深める。


【概要】
 パソコンを子どもに合わせた台数を準備し、教員のパソコン使用上の注意等をしっかりと行った後、ウェブ上の指示に従って作業を進めていく。出てきたストレス度や対処法などをワークシートに記入し、作業を終える。なお、時間が余った子どもについては、  「エゴクラム性格診断テスト」が備えられているので、チャレンジしてもらうのも良いであろう。全員がワークシート記入後、シェアリングを行うが、グループの中で、ストレスの話で盛り上がるのである。作業を迅速に終えて、「ふりかえり・シェアリング」の時間をしっかりと取っていきたい。

【ポイント】
 いつもの参加体験的なワークショップとは違った作業中心の授業なので、子どもたちの作業進行に気を配りたい。隣同士やペアで、作業方法を聴きあえる関係を促進していく。また、最初のアクセスの部分で手間取ってしまう時間が惜しいので、サーバーに直接アクセスできるデータ(Wordのハイパーリンク等)を置いておき、子どもたちがそのデータにアクセスできるようにすればスムーズに進む。


【子どもの気づき】
・普段はそんなにストレスを感じていないつもりだったけれど、意外に高くてびっくりした。自分のことをもっと知ることができたような気がした。対処法もたくさんあって、「計画を立てて実行した方がいい」というのを今度から実行したいと思った。
・自分の心身が成長していきストレスもたまっていたので生活を改めようと思った。みんなも多い人がいたり、少ない人がいたりいろいろで、関わり方を考えた方がいいなと思った。
・ストレスたまってるな〜と思った。それはナゼ?って思った。
・思ってもみない子がストレスを意外とためていたので驚いた。


【教員からのコメント】
・さすが今時の子どもたちで、慣れた手つきでパソコンに向かい楽しそうにチェックを行っていました。自分の現在の状態を客観的に知るというのはとても興味深い作業だったようです。意外な結果だった子も、それを素直に受けとめて対処法を参考にしようとする姿勢がありました。


【参考1】
 「ストレスとはなんだろう」杉 晴夫 講談社(amazon)
 ストレス学説を世界で初めて提唱したハンス・セリエのことを中心にして、歴史的・社会的にストレスへの解明を解説している書です。この本を読んでいると、ストレスマネジメントの現代的な意義がすごくよくわかりました。文化系のわたくしにとって、難しいところも多々あったのですが、脳科学に関する入門書を10冊あまり読みこなしながら、この本に立ち戻ると、驚くほど理解が進んでいました。心理学が解明してきた人間のこころのメカニズムというものが、ストレス学説をはじめとする脳科学の進展で、科学的に証明されてきているという事実に感動したのです。それとともに、人間関係プログラムには、ストレスマネジメントが必須であることの確信も得ることができました。


【参考2】

 「脳内革命」春山茂雄 サンマーク出版(amazon)
 ミリオンセラーになった有名な書籍です。が、著者の春山茂雄さんは医学界からの批判を受けます。本が何百万部も売れたことや、西洋医学と東洋医学を融合し、治療のための医療より予防のための医療を提唱したことが、大きな要因であったように感じます。この本が出版されたのが1995年。1995年といえば、時代の変わり目の年です。これ以降、大きな社会変動が起こります。そして、この前後に脳科学という分野が確立されていくのです。ストレスマネジメント教育が成立したのが2000年頃ですから、この書がいかに先見性があったのかということがよくわかります。発刊が10年遅ければ批判も出なかったのでしょうが、ミリオンセラーにはならなかったかもしれません。とにかく、わかりやすい脳科学の解説と大胆な仮説にもとづいた大変興味深い書です。

 
中学校1学年第5時「ストレスチェック」 ストレスマネジメント (Wordバージョン)

 ストレスへの理解は社会の中で年々深まっていき、2015年12月から厚生労働省によりストレスチェックが事業者に義務化されています。それは、ストレスによって人間の心や身体に悪影響を与えていることがわかってきたからに他なりません。高度情報化社会がさらに進行しているなか、職場、学校、日常生活を通じてストレスをため込んでしまう危険性が増してきていると言えます。ストレスをマネジメント(コントロール)する力は感情対処を可能にし、他者との適切な距離を保ちながら、好ましい人間関係を形成します。ストレスマネジメントは、単にストレスを軽減するだけでなく、人間力を発揮するための基礎的な力であるのです。「気が短い」「カッとなる」「イライラする」などの現れは人間の性格のように言われることがありますが、実はストレスをマネジメントできていない未成長の状態であることを理解していただきたいのです。未成長であるということは、必然的に依存的でもあるわけです。未成長の子どもは、大人に依存しなければならないのと同じことです。成長した大人は、自分を律し、自立することのできる主体的な存在であるべきでしょう。同じひとつの事実であっても、ネガティブにとらえればストレスが溜まりますが、ポジティブにとらえれば「よぅし!」という活力につながります。同じひとつ刺激であっても、難しさをかかえるのか、成長への道を歩むのか、という正反対のあわられになってしまうのです。「ピンチはピンチでしかない」のか「ピンチがチャンスである」のか、この正反対のとらえ方の分かれ道がストレスをマネジメントする力であると言えます。ストレスは置かれた環境によってもたらされるものなのですが、そのなかでどう生きていくのかという根本的な問題を投げかけているのです。
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