【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.すごろくトーキング&ドゥーイングシート
2.ドゥーイングカード
3.すごろくシート(ドゥーイングなし)

【ねらい】 自己開示
 新しい学級で初めて共同作業を行うのが、ウォーミングアップの「一致団結ソーレ!」である。拍手という簡単な動作だが、声を出しながらあわせて行うことで、達成感を味わえる。まだ緊張感のある新しい班で、自己開示をすることで、班員どうしの理解を深め共感性を養う。三年生ということもあり、ドゥーイングの要素を加え、感情などの自己開示にもチャレンジする。


【概要】
 教員の「一致団結ソーレ!」というかけ声の下、全員で拍手を1回から7回まで繰り返していく。揃わなかったら最初からやり直してもいい。声を出し体を動かすことで、心をほぐしてメインエクササイズに入っていく。班ごとにすごろくのお題に沿ったトーキングを、班でルール(パスの回数や話を聞くときの相づちの言葉等)を決めながら進めていく。「カードをひく」に止まるとドゥーイングカードが用意されているが、「嬉しさ」や「悲しさ」などを演じる「独りミニロールプレイング」が含まれている。感情対処の側面を持ちながら、より深い仲間への理解へ通じていく。

【ポイント】
 すごろくのお題に沿ったトーキングを、班でルールを決めながら進めていく。お題は、駒が進むに従って徐々に内容の深いものになっているので、やりとげた後の心地よさを感じてもらいたい。三年生という中学校生活での成熟した学年の自己開示として、「感情」をメインにしたものにすることは、より個人の深い部分での交流となる。子どもたちの関係性レベルでの感情対処する規範意識が「独りロールプレイング」により醸成される。


【子どもの気づき】
・班の人は今まで関わりのなかった人がほとんどだけど、すごく盛り上がったので良かったです。
・班のメンバーのいいところをたくさん見つけることができました。みんな一人一人いろいろ違うところがたくさんあってすごくおもしろかったです。
・あまり知らない人の前で自分のことを言うというのは、はずかしかったが、パスを誰一人使わず出来て良かった。
・思っていたより話しやすかったので、これから1学期間うまくいきそうです。
・カードのお題で盛り上がった。ずっと歌ってる子もいたし、イライラした顔、リアルでした。


【教員からのコメント】
・トーキング系はやはり盛り上がります。すごろくの方は、単発の答えが多かったのですが、カードを引いてのアクションは、グループ一体となって盛り上がっていました。やはり、今までの自己開示の授業の積み上げという感じがしました。子どもたちの動きがあって、心を開放している感じを受けました。全体的に笑い声がよく聞かれ、パスの回数はとても少なく、他者の意見を受け入れ合う姿勢が印象的だったと思います。

【参考】
 人間関係プログラムは、いろいろなグループアプローチの成果を生かして構成しています。そして、グループアプローチのなかでも「老舗」といえるものが「構成的グループエンカウンター」です。「すごろくトーキング」などの自己開示による自己理解、他者理解につながるワークショップを得意とています。エンカウンターを学校でも活用できるワークショップとして開発されました。なかでも、「インストラクション(教示)とシェアリングの理論」によって、学校の授業をワークショップの授業として展開することを可能にした業績はすばらしいと思います。エンカウンターの書籍は多く出版されていますが、根本を理解していくには、この小学校編、中学校編の6部でしょう。

 「エンカウンターで学級が変わる 小学校編1」
 「エンカウンターで学級が変わる 小学校編2」
 「エンカウンターで学級が変わる 小学校編3」

 「エンカウンターで学級が変わる 中学校編1」
 「エンカウンターで学級が変わる 中学校編2」
 「エンカウンターで学級が変わる 中学校編3」

中学校3学年第1時「すごろくトーキング&ドゥーイング」 自己開示 (Wordバージョン)

 グループの真ん中にはすごろくシート、すごろくの目にはトーキングのためのお題が書いてあります。はじめのほうのお題は、「好きな食べ物」のようにすぐに答えることができるお題なのですが、目がすすんでゴール近くになると、だんだん深い話題へと入っていきます。パスすることが許されてますから、話したくなければスルーすればいいのです。これがベーシックな「すごろくトーキング」なのですが、プログラムを積み重ねて三年生にもなると、自己開示のレベルをグッとあげることができます。今回は感情表現の自己開示も加えた「すごろくトーキング&ドゥーイング」です。お題の何カ所には「カードをひく」という目があります。そしてそのカードには、「大きな声を出して笑ってみましょう!」「イライラしているときの表情やしぐさを再現してみましょう!」「今、心が熱く燃えること、それをポーズで表現しましょう!」など心の動きを自己開示する項目が含まれています。あえて、そのような気持ちになったつもりで表現する。つまり、独りロールプレイングになるのですが、演じてみることによって、自己理解と他者理解が深まるだけでなく、自分自身の感情対処の力を育てることにもつながっていきます。トーキング系のワークショップは、何度取り組んでもまったく同じ展開になることは、絶対にありません。ましてや、グループのメンバー構成が変われば、全然ちがってくるのです。また、同じメンバーであっても、関係性が浅い段階と深い段階とでは、また違ってきます。トーキング系は地味かもしれませんが、多様性を生みだし、多くのことを発見する気づきにあふれたワークショップなのです。多くの子どもたちは、トーキング系の授業を楽しみにしていますし、自己開示が苦手な子どもも刺激を受けるのです。いろんな場面で取り組んでいきたいワークショップです。
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