【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.パンパン頭オリジナル編

【ねらい】 コミュニケーション発展
 アサーティブなコミュニケーションは、実際の生活で活用できてこそ価値がある。修学旅行で実際にありそうな場面を想定し、言語表現・非言語表現を合わせたコミュニケーションの方法について、自分たちでロールプレイングをしながら学んでいく。


【概要】
 『パンパン頭』の『見たままパンパン』と『聞いたままパンパン』を行う。見ること、聞くことの大事さから入っていく。見る力と聴く力は、アサーションには欠かせないスキルである。修学旅行で遭遇しそうな場面を想定し、子どもの代表者がロールプレイングを行う。それぞれの場面について、言語表現・非言語表現を変えた5つのパターンを演じたり、それを観察したりして、失敗したり困ったりしたときアサーティブな姿を実行できることを期待する。

【ポイント】
 これまで学習した非言語表現の大切さをふまえたコミュニケーション力のスキルアップを図る授業である。B−eの行動が望ましいことは明白なのであるが、abcdの演技を観たり演じたりして、実際にどう感じたかをシェアすることが大切である。


【子どもの気づき】
・人とのコミュニケーションは大切と思いました。もし生活の中で今日みたいなことが起きたら、どうすればいいか分かったので良かった。
・日常で起きそうなことばかりだったので、気をつけていきたいです。謝ることは大事だと思いました。
・普段から練習しておくということは何に関しても大事だなと思いました。修学旅行でもしもの場面には使いたいです。


【教員からのコメント】
・ロールプレイングは、場面設定をいかに生徒が身近に考えることができるものにするかがポイントだと思いますが、どちらも生徒がすぐイメージできたようで良かったです。予想以上に子どもたちは上手に演じてましたし、とても盛り上がっていました。「人に迷惑をかけないように」と教示することは大事なことですし、また簡単なことなのですが、今日のように役割を設定して演じたことで感想を出し合うということは、教示すること以上に大切なことだと感じました。子どもたちは、より客観的に行動というものを捉えることができたと思います。

【参考】
 埼玉県上尾市立西中学校の校長先生をしておられた清水井一先生(現、東京理科大)を中心にまとめられたシリーズです。小学校1年〜6年、中学校1年〜3年、教育課程編の10冊です。SSTとエンカウンターを駆使したプログラムで、義務教育9年間に必要なスキルを学ぶことができます。わたくしは中学校のコーディネーションは8時間×3年間=24時間のプログラムで行ってますが、小学校のコーディネーションは、この小学校編6冊を使わせてもらっています。これに松原第七中学校区の小学校のプログラムを組み合わせています。特に小学校の低学年は基本的なスキルを育てるSSTの占める割合が高くなります。エンカウンターを織り交ぜたなかみに入れるのは中学年くらいからでしょうか。SSTのなかでも人間関係調整力を育成するアサーショントレーニングは高学年からです。小学校は特に成長段階に応じた順次性を重要視しなければなりません。

 社会性を育てるスキル教育35時間シリーズ 清水井一
中学校3学年第2時「こんな場面に遭遇したら」 コミュニケーション発展 (Wordバージョン)

 典型的なSST(ソーシャルスキルトレーニング)の授業になります。SSTは、@教示、Aモデリング、Bリハーサル、Cフィードバック、D般化、という流れで実施されます。SSTといえば、どうしても「教える」という側面が強調されるのですが、ファシリテーション&ワークショップ型の授業として行えば、このようになる・・と理解してください。人間は自分自身を客観視することで、人間らしい姿に向かっていこうとする生きものです。しかし、「客観視」することそのものが、「思い込み」や「固定観念」などによって妨げられることで、利己的な状態(依存的な状態)から成長することができない状態に留められているのです。SSTは、その「客観視」を促進するツールです。SSTは、そもそも特別支援教育などの観点で人間の成長を促進するものとして開発されたのですが、昨今は医療の世界でも新しい治療法として認められてきています。「原因不明の腰痛の8割は、認知行動療法(SST)で治すことができる」などというセンセーショナルなフレーズすら生まれているのです。書籍などで紹介されている方法とは、@その日をふりかえって起こったことと感じたことをノートに記していく、A書いた文章を改めて読み直し、ネガティブに感じている部分にチェックを入れる、Bネガティブな部分をポジティブな考え方に書き換えてみる・・これを2ヶ月ほど続けます。すると、ネガティブな感じ方の文章が徐々に減っていき、原因不明の腰痛も知らないうちに改善していた・・というものです。人間の認知力−客観視する力ってすごいですね。
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