【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.これなぁに?(画像)
2.台本
3.リフレーミングワークシート
4.リフレーミング辞書

【ねらい】 進路選択
 人はひとつの事実について、ひとつのとらえ方や感じ方をするのが普通である。しかし、それは、その人の見え方による一面的な事実にすぎないことに気づかない場合が多い。これが思い込みにまでなってしまえば人間の成長を阻害してしまうのである。逆に、人は多様な見え方をすることに気づき、ひとつの事実であっても、正反対のとらえ方ができるということに気づくことができれば、成長を促進することができる。


【概要】
 画像を使って、「人間は様々なものの見え方をする」というところから入っていく。コーヒーカップに見えるトイレットペーパーや、たまごのように見えるスプーン。錯視画を使って錯覚も体験する。「ペットボトル半分のお茶」では、友人に飲まれてしまって「半分残ったお茶」というひとつの事実に対して、ネガティブな感じ方をしてしまう場合もあれば、ポジティブな感じ方をすることもできる。つまり、正反対のとらえ方である。同様に人間の短所というものも、見方によれば長所に変えることもできる。ペアワークを通じて、リフレーミング辞書を使用するなどして、他者の短所を長所に変換していく。

【ポイント】
 「これなあに?」の、トイレットペーパーのシリーズは「白い」「丸い」「真ん中が黒い」ということで、ティッシュペーパーがコーヒーカップに見えてしまう固定観念の説明になるので重要である。(短所と感じることは固定観念によることが多い)。はじめにスプーンの画像を見せて、2番目にもってくると効果的である。ペアでのリフレーミングは他者へのリフレーミングなので、比較的容易に変換することが出来る。他者へのフィードバックは意外と簡単なものである。


【子どもの気づき】
・見る視点を変えることで、全く違うものに見えたので、それは人の気持ちを考えることにも共通すると思った。
・リフレーミングしたものを自分の長所にしていきたい。リフレーミングすると短所が長所になるので、すごいポジティブになった。
・自分の短所を他の人から違う角度でみた意見をもらって、自分の中にはなかった意見をもらえたのでよかったです。自分の短所を長所としてかえてみたり、嫌だなと思うこともいいこととして考えてとらえるようにしたい。


【教員からのコメント】
・「これなあに?」では、見る角度で同じ物が違って見えることに、予想以上の反響がありました。特にLIFEは、最初見えなかった生徒が見えたときの驚きの声で盛り上がりました。続く「ペットボトル半分のお茶」のロールプレイングも、生徒は抵抗なく演じ、それを見る生徒も2本のペットボトルが並んだのを見て、反応の違いについて考えやすかったように思います。リフレーミングは、自己開示が苦手な生徒はなかなか短所を書けずにいましたが、長所にリフレーミングする場面では、リフレーミング辞書なしでリフレーミングする生徒も多く、これまでの「こころ?ほっとタイム」の成果だと思いました。


【ブログのコメントより】
 ブログのコメント欄に質問をいただきました。

(質問)2016-02-11 19:29:12
 リフレーミングワークシートについてですが、短所について「わたしは(   )なので(     )です。」とありますが、どのようなことを書けばいいのでしょうか? 三年生の入試前に取り組もうと思っています。よろしくお願いします。

(回答)2016-02-11 20:06:08
 さっそく支援プラン集を使っていただき、ありがとうございます。支援プランの中に実例を入れておけばよかったですね。申し訳ありませんでした。
これは、自分が短所と感じる要素を書いて、その短所の結果好ましくないことになる、ということを書きます。例えば「わたしは、短気なので、すぐイライラしてしまいます。」という内容をリフレーミングします。まず、「短気である」ということを「決断が早い」というふうにリフレーミングすれば、「わたしは、決断が早いので、どんどん物事が進みます。」というようになります。語尾の「なので」と「です」が合わないかもしれませんが、そこは適した語尾に変えるということでお許し下さい。


「リフレーミングで短所を長所に」 進路選択

 リフレーミングとは、見方や考え方を180度かえてものごとを受けとめるということです。パラダイムチェンジ、パラダイムシフトと呼ばれることもあります。この授業では、他者から自分へリフレーミングをするということを互いにやってみます。他者からのリフレーミングは、自分自身でリフレーミングすることに比べると、比較的容易に受けとめることができます。自分自身のリフレーミングが難しいのは固定観念に囚われているからに他なりません。リフレーミングする力は、他者の気持ちを理解する共感性や、自分自身と対話ができる自己を多元化する力が必要なのです。

 この授業では、まず「これなあに?」というウォーミングアップで、人によってものの見え方が違う、というところから入っていきます。見るる角度によっては、たまごや碁石やボタンに見えてしまうスプーン。白、黒、取っ手、といえばコーヒーカップのコーヒーに見えてしまうトイレットペーパー。見え方、感じ方というものは、人によってバラバラであり、千差万別であるのです。自分自身のある点が短所と思って、恥ずかしいと感じる自分であっても、他者から見ると羨ましいあなたであることも往々にしてあることです。短所と感じてネガティブになってしまうことが、自信を奪い、表情を暗くし、行動を制限してしまうのです。短所と感じることがなくなれば、ネガティブになることはありません。ネガティブであることそれ自体が難しい生き方を強いてくるのです。
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「リフレーミングで短所を長所に」に関してご質問・コメントをお受けいたします。→ブログリンク

これなあに? 画像の見せ方

 「これなあに?」は、ウォーミングアップとして行うのですが、「人はいろいろな見え方や感じ方をする」ということに気づく重要な役割を果たしてくれます。一例として、わたくしが先生方への基礎研修その2で使っている画像の見せ方を紹介しておきます。参考にしてください。


 「これから、何枚かの画像をお見せします。すごく易しい問題なので一瞬しか見せませんよ。わかったら、手をあげてわたしにだけ聞こえるように、このメガホンにささやいてもらえますか。」
 「これなあに?」と言いながらチラッと見せます。「はい、わかった人。」何人か手が挙がるので、その人のそばへ言って答えを聞きます。(まわりの人に聞こえないように耳打ちしてもらいます) 「たまご」「残念でした。みなさんに、今、言った答えを教えてあげてください。」「たまご」「はい、たまごではありません。他は?」「碁石」「ボタン」「米粒」とかいろいろ出てきます。
 すごくまれに正解が出ることもありますが、まず、正解は出てこないので、ヒントを出してあげます。「コンビニとかスーパーで買い物をすると貰えることがあります。」これでだいたい一部の方から正解が出てきます。それでも一部の方がわかるだけなので、正解した方に次のヒントを出してもらいます。「食べるときに使う」とかいろいろ出てきます。


 ヒントを重ねて出してもらううちに全員が理解したような状態になりますので、「それでは、皆さんで一斉に答えを言って下さいね。」「3・2・1 スプーン」
 「こんなにわかりやすいものが、見る方向が違うといろいろなものに見えるのですね。」

 「皆さん、すみませんでした。先ほどは易しい問題だと思っていたのに、なかなか正解が出てきませんでしたね。わたくし、反省いたしました。お約束いたします。今度こそ、すぐにわかる画像なので、さきほどより短い時間しかお見せしません。ほんの一瞬です。」「これなあに?」1秒くらいしか見せません。距離が近くて長い時間見せてしまうと、「パイプ」とか「ナット」とかいう答えが出てしまいます。
「はい、わかった人」「コーヒーカップ」(違う答えが出るかもしれないので、これもまわりに聞こえないように言ってもらう。一瞬しか見せなければ、ほぼ、この答えが出てきます。


「そうですよね。それにしか見えませんよね」と言いながら、こっそり感がばれるように画像3を画像4に入れ替える。「じゃ、もう一回見てもらいますね。」と言って画像4をしっかりと時間をかけて見せる。すると何人かの人が「そうそう、」みたいな反応を見せるのですが・・画像が違うことに気づいた人が「あれっ、大きさが違う。」とかつぶやきます。「あっ、そうですか? さきほどはこの写真を見てもらったのですが・・」ととぼけると、「さっきのとは違う。」と何人かが騒ぎはじめます。

「わかりました。なにか不穏な雰囲気になってきました。じゃ、(画像5を見せて)これは何ですか? 全員でお願いします。」「3・2・1、コーヒーカップ」(と全員が言う)。
「だから、これもコーヒーカップでしょ?」と言ってもう一度画像3を見せると、「いや、違う」という反応が・・・「パイプ」とかいろいろ出てきます。このへんで「トイレットペーパー」という正解が出てくる場合もありますが、多くの場合は「????」なので、ヒントを出してあげましょう。もし、正解者が出ていた場合は、その方にヒントをつくってもらってもいいかもしれません。「毎日使う」「二枚重ねもある」「香料付きのものもある」etc。
全員がわかった段階で、「3・2・1 トイレットペーパー」と唱和しましょう。
つまり、丸い、白い、黒い、取っ手のようなもの、という情報から容易に「コーヒーカップ」という答えが出てしまいます。これを「固定観念」と呼びます。
これは有名な画像なので、知っている方にははじめから黙っておいてもらい、観察者となってもらいます。「さて、この画像を見て、ピンときたら手をあげて下さい。」というと何人か手があがります。手があがった方に「あなたの答えに自信がありますか?」とお訊きすると「はい」という返事が返ってきた場合は「正解です」と言ってあげます。この画像はすぐにわかる人となかなかわからない人との差が激しく出ます。なので、数名正解者が出た段階で、まわりにいるわからない人にヒントを出してもらいます。「目を細めて」「上下を隠して」「青を見ないで」などです。
さて、みなさんは答えがわかりましたか? これはどこに焦点をあてて見ているかということです。 正解をクリック
この図には左右に線が引かれています。この線は「直線」であり、「平行」でもあります。しかし、そのようには見えてないでしょ? 画像をクリックすると、左右にずらした画像が現れます。錯覚です。

カフェウォール錯視(外部リンク―立命館大学)
「この図を見て、気づいたことがありますか?」と言って、近くで見せてあげます。すると「黒い○が点滅している」と言う人がいます。錯覚です。この黒い○は見える人と見えない人がいるのが特徴です。画像をクリックすると拡大画像を見ることができます。あなたには点滅しているように見えますか?